まるい月の夜のアトリエ

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家族愛とか絆とかがピンとくる人にはおすすめ「私の中のあなた」ネタバレ感想

こんばんわ。まるい月です。

今日は、「私の中のあなた」についてお話します。

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目次

 1.映画紹介

ジョディ・ピコーのベストセラーが、「きみに読む物語」のニック・カサベテス監督によって映画化された本作。「病」とそれに向き合う「家族」について、多角的に丁寧に描かれています。母親(サラ)役のキャメロン・ディアスは、本作で初めて母親を演じたそうですが、エロくて綺麗でかっこよい女性(※私個人のイメージです)から一転して、病に侵された娘を献身的に支える母親を熱演されていて、改めて演技の幅がある女優さんだなぁと感心しました。

 1-1.あらすじ

白血病の姉ケイトを救うために遺伝子操作によってつくられた11才のアナは、ある日「自分の身体を守りたい」と両親を訴え、医療処置を拒否することに。ケイトのために弁護士の仕事を辞め、14年間にわたって闘病を支えてきた母サラは、11才のアナにはまだ物事を判断する能力がない、と裁判を却下するよう求めますが、結局裁判は行われることに。

裁判が進み、いよいよアナが証人として語る番がまわってくると、「ケイトを助けたくないの?」「どうして訴えたりしたの?」と矢継ぎ早にサラから尋問されます。「自分のことは自分で決めたい」と返すアナでしたが、ケイトの弟ジェシー(アナにはお兄ちゃんですね)が「本当のことを言えよ」と横から口を挟みます。はたして、本当のこととは?アナが訴訟を起こした本当の理由とはー?

 1-2.キャスト・スタッフ

キャメロン・ディアス(サラ・フィッツジェラルド

アビゲイル・ブレスリン(アナ)

・ソフィア・ヴァジリーヴァ(ケイト)

エヴァン・エリンソン(ジェシー

ジェイソン・パトリック(ブライアン)

アレック・ボールドウィン(キャンベル・アレクサンダー)

・ニック・カサベテス(監督/脚本)

・ジェレミー・レベン(脚本)

2.ネタバレ感想

※ここからはネタバレを含みます。

 2-1.サラもアナも、ケイトを救いたいだけ

お話はアナが勝訴率91パーセントの凄腕弁護士キャンベルのもとへ訪れ、両親を訴えるところから始まります。重々しい裁判のシーンが続くかと思いきや、アナが生まれたいきさつから訴訟の本当の理由を明かすまでを、アナ、ケイト、父ブライアン、ジェシー、サラ、それぞれの視点での回想シーンを振り返る形で進んでいきます。時系列がバラバラなところも結構あるのですが、こんなこともあったね、って感じの見せ方なので、同じ手法のサスペンスやミステリー映画と違って、さほど気張らずにすんなりみることができました。

結局のところ、ケイトは死にたがっていて、その願いを叶えるために、医療措置を拒否するための訴訟を起こした、というのがアナの訴訟の裏に隠された真実でした。ケイトは癌におかされながらも、自分のことを愛してくれる家族やボーイフレンドの存在に感謝し、また同時に、皆から様々なものを奪ってしまったことを申し訳なく思っていました。もはや避けることのできない「死」を前に、それを受け入れる覚悟ができていないのは、サラだけだったんですね。ケイトは何度もサラに「死」を受け入れてもらおうとしていましたが、サラは娘を救いたいあまり家族のことはおろか、ケイトの気持ちにさえ寄り添えず一人で突っ走っていました。

そもそも、娘を救うために子供を作るっていうは倫理的にどうなの?って思っちゃったんですが、映画のなかではそれよりも、癌になった娘と、癌になった娘または兄弟を持つ家族の気持ちに焦点が置かれていました。強い気持ちで癌と闘っていく姿勢は大切ですが、人生の楽しみや喜びが、癌との闘いの中に埋もれてしまったら、それはもう病気に負けていると言えるのかもしれない。映画を通してそう思いました。

 2-2.アナのナレーションによる締めくくり

ケイトの死後、厳かに葬儀が執り行われる映像とともに、アナのナレーションが入ります。「ケイトはただ死んでいなくなった。ケイトが死んだからといって、何かが大きく変わることはなかったし、なぜケイトが死んで私たちが生き残るのか、その答えもない」と(細かいところは覚えてませんが、だいたいこんな感じのこと言ってました)。グッときました~。ここできれいごとを並べて終わっていたら、丁寧なお涙頂戴映画だったなぁという感想で終わっていたと思います。「死」とは誰しもがいづれは通る道であって特別なことではない、というのを改めて思い出させられました。

数年ののち、サラは職場復帰し、ブライアンは転職、ジェシーはアートスクールへ進学するなど、それぞれの変化が淡々とアナによって語られていきます。

「ケイトのために生まれた私は、結局ケイトを救えなかった。でも、大切なのはそんなことじゃない。私にケイトという素晴らしい姉がいたことだ。」という言葉が映画の締めくくりだったと思います。ケイトは死んでしまったけど、思い出の中で彼女はずっと生き続けるし、ケイトとの繋がりはこれからも消えることはない、というふうに私は解釈しました。

3.おわりに

私はまだ、家族や大切な人を失うという経験をしたことがありません。自分が死の危機に瀕するような病気になったことも、もちろんありません。そういった経験をされたことがある方が本作を見たら、全く違う印象を抱かせる映画なんじゃないかと思います。

実は私、こういった映画は得意じゃなくて、レビューを書くのがとっても難しかったです。臓器提供をめぐって実の母と娘が法廷でバッチバチに勝負!って感じの映画だと思っていたので、(私にとっては)外したな~というのが正直な感想です。

相手を思いやるあまりに相手を傷つけてしまっていたり、苦しめてしまったりしているって、愛が溢れすぎていませんか?人間の素敵なところを、素敵に描いている素敵な映画なのですが、人間の醜さや愚かさ、業の深さにフォーカスを当てたような映画のほうが個人的には好きです。

この映画を気に入っている方、好きな方、ごめんなさい。サイコパスなので許してください。

 

以上、まるい月でした。

読んでくださった方、ありがとうございました。